人材育成に関するコラムを時々思うままに書いていきます!
人材育成コラム No010

売り手市場だからといって胡坐をかいてはいけない


2009年の採用に向けて企業の採用合戦が白熱化してきている。昨年12月17日の日経新聞によれば、その時点で10社以上の会社説明会に出て、内々定をもらっている学生が2割もいるとか・・・。 あれから約1ヶ月、その数はもっと増えているだろう。

2007年から始まった団塊世代の一斉退職、そして少子化に伴う労働人口の減少、バブル崩壊後の採用控えによる社内の年齢構成の歪み。若手社員がいないことによる中堅層へのしわ寄せ。中堅層のうつ病問題、後輩・部下もいないまま管理職になった者のマネジメント力の不足。今、多くの企業は人材不足が大きな課題となっている。 そのような環境下での景気回復、若い力を必要とする企業が増えてきた。

今、新卒採用は売り手市場と言われている。大手も採用枠を増やし、中小企業はなかなか人が集まらない。
そして、大手の採用活動は4月から始まる。中小企業はそれまでに学生を確保し、様々な引き留め策を講じていくわけだが、12月のこの時期で2割も内定をもらうというのは例年から考えれば異常なのかもしれない。それだけ企業にとって採用が難しくなってきたのだろう。そんな環境もあり、この時期に内々定を出す企業も増えてきたのだろう。

今のこの環境は、学生にとってまさに「選びたい放題」と見えるが、企業から見れば、実際の所「欲しい人は欲しいが、要らない人は要らない」というのがホンネである。つまり、優秀な人はたくさんの内定がもらえるかもしれないが、そうでない人は、例え売り手市場でも内定はもらえないのである。

たしかに就職氷河期にくらべれば、採用基準は幾分下げざるを得なくはなるだろうが、これ以上は下げられないラインというのはある。売り手市場という環境に安住していると、何社受けても内定が出ないこともありえるのだ。

先日、某就職斡旋企業主催の合同説明会に参加した。1万人近い学生が集まったようだが、中には本当に働く気があるのか? と思う学生も見られた。
中にはスーツではなくカジュアルな服装で来る学生や、金髪の学生、カップルで企業ブースを訪問して2人でコソコソ話しながら人事担当者の話を聞く者も見受けられた。

やはり、「企業としてみれば人材はほしいが、誰でも良い訳ではない」ことを学生は知っておかなければならない。どんなに売り手市場でも、採用する人も生身の人間である。話し方や振る舞いにマナーのかけらも感じられない学生には内定は出すわけがない。

また、直接学生と話しをしてみると、まだまだ自分の将来について真剣に考えている学生は少ない。「とりあえず合同説明会にきてみた」という学生が多い。今、就職活動は大学生であれば3年の10月から始まる。ところが実際社会に出るのは翌々年の4月と1年半も先の話で、ピンとこないのもやむをえない。年が明けてこれから学生も本格的に活動が始まる。意識が変わるのもこれからが本番だろう。企業もこれからが本番である。

学生に向けて厳しいことも書いたかもしれないが、多くの企業で新卒採用に対する期待が非常に大きいことに間違いはない。2009年春、企業にとって、学生にとってお互いがハッピーな春を迎えられるよう応援したい。(中尾ゆうすけ)



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